SNSでもイラストを公開する人が多くて、いろんなイラストを見る機会が増えた昨今。
「自分もイラストを描いてみたい!」と、思っている人もいるのではないでしょうか。
「でも、何から始めたら良いのかわからない…」
「イラストの道具は何を使ったら良いのだろう…」
入口の扉を開ける前につまづいている、そんな初心者の方に向けて、イラストの始め方や道具の種類、上手に描くコツを紹介。
まずは、イラストを気軽に始めてみませんか?
初心者でもイラストは描けるのか
もちろん描けます!
上手い下手は一旦無視して、イラストは誰にでも描けるんです。
しかし、自分が描いたイラストを「下手すぎる!」と判断して、止めてしまう方も多いのでは?
勉強やスポーツ、音楽の世界でも同じだと思いますが、すぐに結果が出ることはありません
コツコツと地道に続けた結果が、周りの人から注目されるだけです。
それに、プロのイラストレーターを目指すなら、ある程度のクオリティは必要ですが、自分が楽しむだけなら、どんなイラストを描いても良いんです!
イラスト初心者とは、始めてから何年までのこと?
個人差があり一概には言えませんが、毎日数時間、イラストを描き続ければ、半年〜1年もすれば、ある程度のイラストが描けるのではないでしょうか。
習得が早い人なら1週間もあれば、初心者とは言えないイラストを描くことも可能です。
しかしながら、習得が早いことは遅い人から見ると羨ましいと感じるでしょう。
ですが、「描くことが楽しい!」と思っているのであれば、初心者のレベルだとしても幸せなことだと思います。
イラスト初心者は何から始めればいい?
イラストの専門学校に通う
時間とお金に余裕があるなら、独学で学ぶ前に「イラストの専門学校」に通ってみるのもアリです。
初心者がイラストの基礎を学ぶことは、間違いなく実力がつきます。
変なクセがつく前にプロの指導を受けられるのは、今後のイラスト制作において、確実なスタートだと言えるでしょう。
また、切磋琢磨する仲間にも出会え、思わぬ才能が開花する可能性もあります。
好きなイラストを探す
「イラストを描きたいけれど、どんな絵を描いていいかわからない…」と、思っている人はまず自分が好きだと思うイラストを探してください。
「好きこそものの上手なれ」という言葉が示すように、「好き」というパワーは大きい効果をもたらします。
描きたいものがわからない人は、多くのイラストを見て、自分の「好き」を見つけましょう!
好きな漫画やイラストの模写をする
自分の「好き」を見つけたら、好きな漫画やイラストの模写をしてみましょう。
模写をすることによって、線の強弱のつけ方や色の塗り方、イラストの配置の仕方など多くの学びがあります。
漫画やイラストで「好き」が見つからなかった人は、自分の「好き」なものをイラストにしてみてください。
花や動物だったり、映画のワンシーンであったり、何でも構いません。
イラストを描く作業は、地味な作業がほとんどです。
自分の「嫌い」なものを描いていては、精神的に辛い状況に陥ります。
描いていて「楽しい」と思える題材を見つけてくださいね。
いろんなジャンルの絵を描く
自分のイラストが固まる前に、いろんなジャンルの絵を描いてみてください。
シンプルや写実的、ポップやホラー風のものなど、イラストには多種多様なジャンルがあります。
自分に合ったジャンルを見つければ、より描くことが楽しいものになりますよ。
自分に合ったジャンルがわからない時は、周りの人に聞いたり、SNSに公開してみるのも良いですね。
「いいね」の数で判断してみては?
イラストに必要な道具
アナログ
紙
紙がないとイラストが描けません。
紙の種類もたくさんあるため、自分のイラストに合った紙を見つけることが重要です。
主線を描くペンや絵の具の種類によっても、合う紙・合わない紙があります。
たとえば、墨汁1色で描くならケント紙でもいいですが、墨汁を滲ませたいという目的があるなら画仙紙などがおすすめ。
紙の種類によっては高価なものもあります。
まずは、安価で手に入りやすいコピー用紙や、画用紙、ケント紙から始めてみましょう。
主線用のペン
鉛筆やミリペン、つけペンなど、紙同様に種類が豊富です。
色を塗る場合は、耐水性インクを使用したペンやインクを使わないと、主線が滲むこともあります。
初めは、鉛筆やミリペンから始めてみて、徐々に自分に合う画材を見つけてください。
絵の具
カラーイラストを描きたいのであれば、絵の具や色鉛筆、マーカーなどが一般的です。
絵の具も透明水彩や不透明水彩(ガッシュ)、油彩絵の具やカラーインクなど多種多様。
また、画材によっては混色できないものもあるので、ある程度の色数が必要になります。
そのため、費用が増えることも。
また、絵の具・カラーインクであれば、筆、パレットや梅皿、筆洗い用バケツなどが必要となります。
消しゴム
下書き線を消すために必要です。
鉛筆画だと光が当たる部分の表現として、消しゴムを使うこともあります。
上記の道具に比べると、安価なものが多いです。
デジタル
パソコン
最近はタブレットでイラストを描く人も多いですが、デスクトップPCならモニターを大きくすることもできます。
また、デスクトップPCの方が性能が高いものが多いので、緻密なイラストを描きたいなら、デスクトップがおすすめです。
高スペックなパソコンだと性能が高いため、絵を描く作業効率も上がりますが、その分、費用も高くなります。
描きたいイラストに合わせて、パソコンのスペックを考える必要があります。
一番重要なのは、メモリ。8GB以上が推奨です。
メモリが低いと作業が遅くなったり、パソコンがフリーズすることもあるので、注意してください。
ペンタブ
パソコンでイラストを描くなら、ペンタブレットがあると便利です。
マウスでもイラストは描けますが、細かいイラストを描きたいなら、ペンタブの購入をおすすめします。
ペンタブには「板タブ」と「液タブ」の2種類があります。
「板タブ」は板状のタブレットのこと。
パソコンの画面を見ながら、タブレットの上でペンを動かすことで描画できます。
ある程度の慣れが必要になりますが、「液タブ」に比べると安価のものもあるため、金銭的に余裕がない初心者は「板タブ」が良いかもしれません。
「液タブ」は液晶タブレットのこと。
タブレットが液晶になっており、直接描き込みができるので、初心者でも慣れるのが早いと思います。
ただし、「板タブ」に比べると高価なため、よく考えてからの購入が良いでしょう。
ペイントソフト
パソコンでイラストを描くときに必要なのがペイントソフトです。
無料のものもありますが、機能が制限されている場合が多いです。
人気がある有料ペイントソフトは、「CLIP STUDIO PAINT PRO」や「Adobe Photoshop」、「ペイントツール SAI」の3種類が使用率が高いようです。
使用感、メリット・デメリットなど、ソフトそれぞれにあるので、比較サイトを参考にしてから購入をおすすめします。
iPad + Apple Pencil
昔と比べると、プロのイラストレーターや漫画家でもiPad+Apple Pencilで描く人が増えてきました。
操作性がまるで紙に描いているような感覚に近いです。
ただ、パソコンと比べるとスペックは低いため、イラストの種類によっては避けた方が良いかもしれません。
また、高性能のiPad PROにApple Pencilを加えると、約35万円とパソコンよりも高額になります。
無印のiPadであれば、10万円以下に抑えることもできますが、差が大きいので比較検討を吟味した方が良いでしょう。
イラストが上手になるコツ
目標を決める
イラストを描く作業は、孤独が伴います。
目標がないままでは絵を描く理由がないように感じて、途中で諦めてしまうこともあります。
- SNSでバズりたい
- コンテストに入賞したい
- クラウドソーシングで稼ぎたい
どんな目標でも良いので、自分の目的を見つけることで継続するカギです。
モチベーション維持のためにも、自分の目標を決めてください。
憧れの絵師の模写をする
模写することで自分の中にはない発見ができます。
「オリジナリティがなくなりそうで嫌だ」と思うかもしれませんが、ある程度のイラスト技術が身に付いたら、模写をしていてもオリジナリティが滲み出てくるはずです。
無理強いはしませんが、「憧れの絵師のようになりたい!」と思うのであれば、模写を検討してみるのも、上達への近道になりますよ。
自分のイラストを離れて見る
イラストを描き続けていると、客観視ができなくなることが多々あります。
そんなときはイラストから離れて見てください。
自分が思っているよりも、人物のバランスが悪かったり、色使いがイマイチだったり…、いろんな気づきがあるでしょう。
集中して描くのは素晴らしいですが、たまに離れて見ることを忘れないで。
他の人の作品を見る
たくさんの人の作品を見ることで、創作意欲が刺激されます。
また、他の人の作品を見ることで、自分が知らなかった自分に気づく場合があります。
- この人の作品の色使いが好きだ
- この構図はあまり好きじゃない
そんな感想が出てきたら、「なぜ自分はそう思うのだろう?」とより深く考えてみてください。
熟考した先にでた答えは、自分のイラスト上達のヒントのひとつかもしれません。
自分を知ることで、自分の描きたいイラストが明確に見えることもありますよ。
定期的に描き続ける
「継続は力なり」で、描き続けることはイラスト上達にとっては、最も重要です。
「今日は描きたくないな」と思っても、簡単なイラストで良いので、毎日描くことをおすすめします。
「気分が乗らないから…」と描かない日が続き、ついにはイラストを描くのを止めてしまうからです。
そんな時は、自分の目標を思い出して、描くことを習慣化してください。
習慣化することで、描く苦痛を感じにくくなります。
描くのが面倒くさいな
↓
今日は何を描こうかな
自分の考え方が変われば、描くイラストも変わってきますよ。
なかなか絵が上達しない理由
最後まで完成させない
「このイラストは失敗したから、途中で止めた」なんてこと、ありませんか?
失敗したとしても、最後まで完成させてください。
最後まで完成させることは、達成感や自信を得られるだけでなく、なぜ失敗したのか?という理由にも気づけます。
この気づきは、確実に次の作品へ繋がります。
途中で止めてしまっては気づきもなく、苦手意識だけが植え付けられます。
苦しくても必ず最後まで描くことが重要ですよ。
トレスから抜け出せない
「トレス」とは、既存の画像をなぞって写しとることです。
画像を見ながら描く「模写」とは違います。
自分のイラストが上手じゃないからといって、トレスを繰り返してもイラストは上達しません。
トレスはあくまで初歩の練習方法なので、自分のイラストを好きになりたいのなら、今すぐ止めましょう。
何もを考えずに描く
何も考えずに上手なイラストが描ける人は別ですが、ほとんどの人は描く前にイラストの構図を考えます。
この構図を考える作業は、描画よりもとても苦しいものかもしれません。
しかし、この苦しさを乗り越えることで、作品としての完成度が高まります。
自分でも納得できる作品を生み出す喜びは、何物にも変えがたいものです。
この喜びは高揚感を伴い、次の作品へのモチベーションとなります。
まずはイラストを描く前に、どんな作品にしたいかをよく考える癖をつけたいですね。
見直さない・分析しない
作品を完成させたら、必ず見直しや分析してみましょう。
- 線画の強弱が滑らかで良かった
- 人物の動きが固かった
- 色使いがイマイチだった
良いところ・悪いところを含めて、見直してください。
そして、次回の作品にどう活かしたり、改善できたりするかを考えます。
できれば、簡単な箇条書きで良いので、言語化をおすすめします。
言語化することで、自分の長所・短所が明確になり、伸ばすポイントや改善するポイントが見えやすくなります。
自分での分析が難しい場合は、SNSで公開して反応を見てみましょう。
自分の作品を評価されることは辛さが伴いますが、感情的にならず、冷静に自分の作品を分析してみてください。
イラスト上達への道は冷静になること。
上達すれば喜びにつながり、ますますイラストを描くことが好きになりますよ。
イラスト初心者が絵を描き続けるために必要なこと
思ったようなイラストが描けず、辛いこともありますよね。
でも、そこで諦めてしまっては、イラストは上達せず、ますますイラストから遠のく原因にもなります。
「楽しい」と思いながらイラストを描いていたのに、あるときから描いていても苦痛を感じるのは本末転倒です。
しかしながら、苦痛の先にこそ、普段味わえないような喜びがあることも事実。
- 描く前にどういう作品にしたいかを考える
- 絵が上手じゃなくても描き続ける
- 最後まで完成させる
- 作品を冷静に見直して分析する
絵を描き続けるために必要なことは、「苦しくても描くこと」だと思います。
そして、苦痛の先にある達成感や自信が「喜び」に変わったときこそ、イラストを描くのが止められないほど好きになるのではないかと考えます。
まとめ
イラストを描くことは「楽しい」だけではありません。
他人から評価や批判を受けたり、自分が思い描いていたイラストが描けず、ストレスが溜まることもあります。
一方で、描き続けた過去の作品を見ると、上達している今の自分に気づくこともあります。
すぐに上達するのはとてもドラマティックで、羨ましい限りです。
しかし、苦労を知らない上達は、喜びも少ないでしょう。
「イラストを描きたい!」と思い始めたのなら、コツコツと描き続けてください。
そして、あなただけの「喜び」を見つけてほしいです。
やっぱりイラストを描くのは楽しい!という境地に立つことを願っています。