数あるデザイナー業の中でも、グラフィックデザイナーは広告やポスターなどの紙媒体のデザインを行う仕事です。
「未経験からグラフィックデザイナーを目指したいけど、どうやったらなれるの?」
「今は全然違う仕事をしているけど、デザインの仕事に憧れがある!」
という方も多く、グラフィックデザイナーは人気のある職業の一つです。
しかしグラフィックデザイナーは専門職のため、未経験者が目指すのは厳しいと言われています。
この記事では、未経験からグラフィックデザイナーに挑戦するために必要なスキルやグラフィックデザイナーの仕事内容についてご紹介していきます。
未経験からグラフィックデザイナーを目指すのは厳しい?
未経験でもグラフィックデザイナーになることはできます。
未経験からグラフィックデザイナーになるには、未経験者可の求人に応募する方法と、フリーランスから始めて案件を獲得し実務経験を積むやり方があります。
ただし、未経験可の求人や案件であっても、経験のあるグラフィックデザイナーやスクール出身者が応募や提案をしていることがほとんどです。
やはりスキルが全くない状態でいい条件で採用されるということはほぼありません。
そうなると未経験可であっても、経験者やスクールで学んだ人材が採用されます。
以上の理由からグラフィックデザイナーは未経験からの就職や転職が非常に厳しいので、まずはスクールに通ってスキルを身につけてから就職すべきです。
未経験グラフィックデザイナーの働き方
グラフィックデザイナーの働き方はさまざまです。その中でも、未経験から目指せる4つの働き方についてご紹介いたします。
広告代理店
広告代理店では、営業など他部署の社員や、デザイナー同士が連携してプロジェクトを進めるのが特徴です。
そのため、デザイン能力の他にコミュニケーション能力が必要となります。
教育体制が整っている企業が多いので、働きながらスキルアップすることができます。
デザイン事務所
デザイン事務所は小規模な場合が多く、数人〜十数人体制で仕事を行い、代理店の下請けとして広告を制作します。
デザイン制作業務がメインとなるため、グラフィックデザイナーとしてより専門的な知識が求められます。
少人数のため経験が浅くても実力があれば、早い段階で大きな仕事に関わることができます。
企業のインハウスデザイナー
インハウスデザイナーとは、企業のデザイン部などに所属するグラフィックデザイナーを指します。
自社商品のパッケージデザインや、社員の名刺制作などを行います。
自身の制作物が会社の利益を左右する場合があり、強い責任感が必要とされます。
フリーランス
自身で営業を行なったり、クラウドソーシングを活用して案件を受注します。
上司や先輩から仕事を教わる機会がないので、新しい知識をキャッチアップする能力が必要です。
いきなりプロジェクト案件に携わることに不安があるならば、コンペ形式の案件にたくさん応募して実践経験を増やすと良いでしょう。
未経験からグラフィックデザイナーになる方法
業務未経験からグラフィックデザイナーを目指すための、3つの方法をご紹介します。
未経験可の企業に就職
広告代理店や、デザイン制作会社には未経験でも応募可能な求人が多くあります。
しかし、実際は即戦力を求めている場合が多く、経験者やスクール出身者が優遇されることも少なくありません。
雇用形態を選ばないこと
派遣、アルバイト、業務委託など、正社員以外の募集であってもできることから始めるのが、グラフィックデザイナーになる近道です。
また、アシスタントから始めて現場の仕事を覚えていく方法もあります。
きつい労働環境でも1年は耐えること
未経験可の求人は、残業が多いなど仕事が厳しい場合もあります。
しかし1年の実務経験を積めば、次の転職の窓口が広がります。
まずはどんな形でもいいので業界に飛び込み、転職してスキルアップを目指しましょう。
フリーランスで実務経験を積む
グラフィックデザイナーとしての知識とスキルを身につけていれば、未経験からフリーランスとして活動していくことも可能です。
仕事が受注できない期間を覚悟する
クラウドソーシングで案件を受注する場合、受注件数0件から1件獲得するまでが大変です。
受注するためには、案件を任せても大丈夫だと思ってもらえるポートフォリオを作る必要があります。
しかし、しっかりとポートフォリオを作っても、実際の成果物がある経験者と比べると不利になってしまうこともあります。
この人に任せたいと思ってもらえるようデザイン力を磨きながら、根気強く提案をし続けなければなりません。
営業や経理などデザイン以外の仕事がある
クラウドソーシングでもクライアントと直接取引をする場合でも、案件を獲得するためには営業力が必要です。
自分をアピールする力とデザインを提案する能力がなければ、クライアントの目に止まることはありません。
また、案件を受注できた場合、請求書を発行するなど経理の仕事も自身で行う必要があります。
自己管理の徹底が必要不可欠
フリーランスの場合、誰かに仕事を代わってもらうことはできません。
体調管理は当然のこと、スケジュール調整も全て自分で行う必要があります。
プロのグラフィックデザイナーであれば納期に間に合わないということがあってはいけません。
受注した仕事を最後まで責任を持ってやり切るためには、日々の自己管理が重要になります。
まずはスクールに通って学ぶのがおすすめ
スクールでは、未経験からプロのグラフィックデザイナーになるためのノウハウを効率的に学ぶことができます。
また、同じ目標を持つ仲間と一緒に学ぶことで、モチベーションを維持することができます。
コンテストの受賞経験が就職で有利に
講師の指導とサポートを受けながら、コンテストに参加することができます。
コンテストで評価されれば自信につながりますし、就職でも有利な実績となります。
企業課題で実務に近い経験が積める
スクールによっては直接企業から依頼された制作を行うことができます。
実際の仕事に近い経験ができるため、就職活動では即戦力であることをアピールできます。
手厚い就職サポートが受けられる
スクールではポートフォリオの制作や、面接試験の対策、資格取得のサポートを受けることができるので、安心して就職活動に臨むことができます。
以上の理由から、まずはスクールでしっかりスキルと経験を身につけましょう。
どこのスクールがいいかわからない方は、有名で人気のある下記の3つがおすすめです。
気になる方はまず資料請求してみましょう。
グラフィックデザイン専門学校・スクール・講座おすすめ10選!
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グラフィックデザイナーの仕事とは
グラフィックデザイナーの主な仕事について、それぞれの工程ごとに詳しくご紹介します。
クライアントへのヒアリング
顧客との打ち合わせで、制作に関するヒアリングを行います。
ターゲットユーザー層の把握、デザインのイメージ、訴求ポイントとメッセージ、制作開始日から納品までのスケジュール、予算などを決めます。
特に制作物の方向性についてのヒアリングが不足していると、修正や手戻りの原因となりますので、しっかりとニーズを引き出すことが大切です。
ヒアリングシートや色見本などを活用することで、詳細なヒアリングができるようになります。
デザイン制作
ヒアリングの内容に沿って、デザインの制作を進めます。
ラフという大まかなデザイン案を作成し、クライアントにフィードバックをもらいながら修正していきます。
クライアントとラフデザインの合意ができたら、本制作に入っていきます。
本制作に入ってからの修正を減らすために、最初にラフデザインを数種類用意するなど工夫して、きちんとすり合わせを行なっておきます。
修正
本制作したデザインをクライアントに共有し、要望に沿って修正を行います。
フォントの変更や配置のし直しなど、クライアントが納得できるデザインになるまで何度も修正を行う場合があります。
グラフィックデザイナーにとって最も粘り強さが必要な作業ですが、修正時には納期が迫っている場合が多いため、繊細さと速さの両方が求められる厳しいフェーズです。
入稿・納品
納品物がチラシやポスターの場合、クライアントからデザインの合意を得られたら、印刷会社へデータを入稿します。
印刷には数週間ほどかかるため、納期から印刷にかかる期間を逆算して入稿する必要があります。
仮印刷を行い、色味などの仕上がりを確認してから本印刷を行います。
その後、出来上がった制作物をクライアントに納品します。
クライアントによってはデータのみを納品し、印刷所への入稿はクライアント自身が行なうこともあります。
未経験からグラフィックデザイナーになるために学ぶべきこと
必要なスキル
未経験からグラフィックデザイナーを目指すための必須スキルをご紹介します。
自信のないスキルがある場合は、日々の学習や仕事の中で力をつけてから就職や転職に臨むと良いでしょう。
スクールを利用すれば、現場で通用する技術や実際のプロの仕事を知ることができます。
グラフィックソフト編集スキル
近年はグラフィックソフトを使用してグラフィックを制作するのが主流となっています。
アドビのPhotoshop・Illustrator・InDesignなどのグラフィックソフトの編集スキルは必ず身につけなければなりません。
Photoshopは写真の加工・色の調整を行うことができるソフトです。
Illustratorはテキストと画像によるレイアウトや、線や図形を使ったイラストの作成ができるツールです。
InDesignは冊子やカタログなどのレイアウトやページデザインを行うためのソフトウェアです。
現場ではそれぞれのソフトの特性を理解して、組み合わせて使う能力が求められます。
デザイン技術
デザイン技術は生まれ持ったセンスと思われることが多いですが、知識と経験によって高めることのできるスキルです。
大切なのは個人のセンスや感性ではなく、レイアウトや色彩、タイポグラフィーなどデザインの基礎を身につけることです。
基礎を身につけることで、クライアントの要望を満たすデザイン制作ができるようになります。
プレゼン能力
グラフィックデザイナーはクライアントの要望をもとにデザインを考え、提案します。
その際、「どうしてこのデザインになったのか」というデザインの意図や目的をクライアントに説明できなければなりません。
デザインの強みを明確にプレゼンすることで、クライアントに納得してもらえる制作物が作れるようになります。
おすすめの資格
グラフィックデザイナーになるために必ず取らなければならない資格はありません。
しかし資格を持っていると就職や転職に有利になりますし、何よりグラフィックデザイナーにとって必要な勉強ができるので、未経験者にとって資格の取得を目指すことはメリットが多いです。
アドビ認定アソシエイト
アドビ認定アソシエイトは、アドビが公認する国際認定資格です。
グラフィックデザイナーの必須スキルであるIllustratorやPhotoshopを活用するスキルを証明します。
Illustratorクリエイター能力試験
Illustratorクリエイター能力試験は、サーティファイ社による実践的な資格検定試験です。
試験では、新規ドキュメントから1つのグラフィックコンテンツを制作することで、「操作スキル」と「問題解決力」が問われます。
「スタンダード」と「エキスパート」の2級種があり、自身のレベルに合わせて挑戦することができます。
Photoshopクリエイター能力試験
Photoshopクリエイター能力試験は、Illustratorクリエイター能力試験をPhotoshop向けにした資格検定試験です。
Illustratorクリエイター能力試験と同様に、「スタンダード」と「エキスパート」の2級種から選択して受験できます。
色彩検定
色彩検定は文部科学省が後援している公的な資格です。
色に関する幅広い知識や技能を証明します。
デザイン制作物だけでなく、プレゼン資料や、ファッション、インテリアなどさまざまなシーンで役立てることができます。
求められるグラフィックデザイナーになるために
グラフィックデザイナーはとても人気の職業なので、必須スキルを身につけるだけでは、クライアントに求められる人材になることはできません。
自分の強みや魅力を見つけ、常に磨いていく努力が必要です。
プラスアルファのスキルを身につけて差別化
グラフィックデザインの他に、イラストが描ける、写真撮影が得意など、プラスアルファの技術はグラフィックデザイナーにとっての武器となります。
例えばイラストを描くことができれば、他社と素材で被る心配がなく、他にはない制作物をクライアントに提供することが可能です。
スクールに通って総合的なスキルを学ぶ
スクールに通うことでグラフィックデザインの体系的なスキルを確実に身につけることができます。
またスクールならデザインの知識だけでなく、社会人として必要なコミュニケーション能力やビジネスマナーも学ぶことができます。
社会人として当たり前のことがきちんとできるということは、グラフィックデザイナーになる上でとても大切なことです。
総合的なスキルがあることが、信頼できるグラフィックデザイナーとしての評価にも繋がります。
まとめ
この記事では、グラフィックデザイナーの働き方や、グラフィックデザイナーになる方法、仕事の流れ、必要なスキル、おすすめの資格、求められるグラフィックデザイナーになるためにやるべきことを紹介しました。
未経験からグラフィックデザイナーになるのは厳しいと言われていますが、確実にグラフィックデザイナーを目指すためにはスクールで学ぶことをおすすめします。
スクールでグラフィックソフトの操作方法を応用まで学び、授業で行われる制作や企業課題、ポートフォリオ制作などで実績を積んで、サポートを受けながら就職活動をすることで、希望の就職に繋げていけるでしょう。